留袖(とめそで)って何?

留袖問題-1

結婚式に新郎・新婦の母親が着る場合が多いです。
黒地で裾(すそ)に柄が入っています。また
背中の中心、両袖、両胸に家紋が入っています。
親類の方になれば、黒地以外にクリーム色や
ベージュ、カラシ、グレイなどの色留袖を
着ている方もよく見かけます。
そこで問題です。

”留袖”は黒と 色だけ?
柄の留袖は “ある?””ない?”


正解は、”ある”です。
 ”とめそで”とは未婚の頃のふりそで着物を結婚を境に袖を留め(”切る”と言わないで)た
 きものの総称なのです。ですから、
 染小紋(そめこもん・きもの全体が柄物)や大島紬(おおしまつむぎ・奄美大島で
 織られている高級紬)もそうといえます。
 ただ 私達が”その振袖”をあまり見かけないだけのこと。

留袖問題-2

”黒留袖”は振袖の長い袖を留めた(”切った”)ものですから、
“黒地の裾模様(すそもよう)振袖”がもとの姿になります。
それでは、結婚を機に”留めた”袖の部分はどこへ?
次の中のどれでしょうか?

 ①やがて産まれてくる”男の赤ちゃんの”一つ身きもの
②テーブルクロス
③記念に取っておく

 答えは①です。
 ですから、女の子用は(例えば)赤い柄の振袖の袖が女の赤ちゃんの
 一つ身に替わるわけです。
 それなりに、理屈に合っているものですね。

留袖問題-3

年配者で、黒留袖を”江戸褄(えどづま)”と呼ぶ方が
いらっしゃいます。これって何?
次の中のどれでしょうか?

①まったく同じもの
②似てはいるが本当は違うもの。


答えは②です。
 「江戸褄」は”時代劇”に、大奥の女性達が両手で襟はしを持ち,裾を引きずって
 屋内を行き来する場面がありますが,右左に模様がついています。
 それが帯を締めることで下前が隠れてしまい,隠れる部分の模様を省略した
 流れをくむのが(えどづま)です。